USBメモリ活用法:ポータブルWebサーバ+ブラウザ+エディタ

ひとつ前のエントリで少し触れたが、USBメモリにソフトをインストールして持ち歩くというのは結構Coolなアイデアである。私自身、1年ほど前から愛用しているのが「USBメモリで開発環境を持ち歩く」というもの。本業が開発者でも何でもない私としては、自宅以外でも、通勤時間とか、次のアポまでの待ち時間とか、そういう空き時間をうまく活用してモノづくりに励みたいところ。しかし、家のPCと会社のPCの両方に同じテスト環境を構築して、常にファイルを同期させておくのは大変だし、そもそも仕事用のPCに余計なソフトは入れたくない。そこで、USBメモリに必要なアプリケーションをインストールして持ち歩くというわけである。インストールといっても、レジストリをいじくるようなソフトでなければ、ただUSBメモリのドライブ上に実行ファイル(exeファイル)を入れておくだけのこと。特に難しいことは何もないのだ。

WebサーバとSQLサーバに関しては、XAMPPを利用。XAMPPには標準でApacheとMySQLとPHP、phpMyAdminがついていて、アドオンとしてPerlやTomcatも用意されている。ファイルの展開はインストーラを使ってもいいし、zipファイルを直接USBドライブの上に解凍してもよい。但し、展開後のファイルサイズがかなりあるので、USBメモリは容量の大きいものを準備する必要がある。以前、XAMPPとMovable Typeを入れたときは、それだけで512MB以上あったので、最低1GBがないときついだろう。USBメモリは差し込むPCによって違うドライブ名で認識されることがあるが、その度にsetup_xampp.batを走らせればApacheのドキュメントルート設定などを自動で変更してくれる。

ブラウザに関しては、Firefox Portableをメインに使用。Tab Mix Plusを使えばセッションを保存できるので、調べものなどの作業途中にブラウザを閉じてしまっても、次回起動時に作業を続けることができる。はてなブックマークdel.icio.usに「あとで読む」とタグを付けて保存しておくより簡単だし、効率的だと個人的には思っている。開発環境としては、やはりFirebugは必須。開発中のスクリプトのテストをするときも、他のサイトのデザインを参考にするときも、欠かせない存在だ。Firefoxはこうして様々なアドオンをお好みで追加してカスタマイズできるのが最大の魅力だが、複数のPCで使うときには全く同じアドオンを揃えるのは面倒。USBメモリで持ち歩けば、常に同じFirefoxを使うことになるから、この問題も解決してくれるのだ。

エディタは、PHP用にはPHP Editor、JavascriptとHTML用にはTerapadを利用。いずれも実行ファイルをUSBメモリ上に置いておくだけで使用できる軽いソフト。これと一緒にPHPマニュアルとほほのWWW入門のWindowsヘルプ版も入れておけば、オフライン環境でもPHPとJavaScriptとHTMLに関する基本的な事項は調べることができる。まあ、鞄の中のスペースに余裕があれば、JavaScriptビジュアル・リファレンスは常に持ち歩いた方がいいんだけど。JavaScript用のエディタは色々探してみたがいいのがなかったので、結局シンプルなTerapadに落ち着いた。文字コードの指定と画面分割ができればそれで十分な気もしている。

Firefox Portableを提供しているPortableApps.comでは、他にもUSBメモリにインストールできる様々なアプリケーションを見つけることができる(今見てみたら、XAMPPも提供されているようだ)。アプリケーションだけでなく、Mac OS Classic 7も提供されているし、LinuxもComing Soonになっている。こういうのを色々組み込んで、USBメモリを差すだけでいつものPCが全く別のマシンに化けるとか、自動的に作業を行ってくれるとか、そういうのもいいかもしれない。


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SanDisk CruzerMicro 4GB

stars 衝動買いなんだけどさ

今日、昼ご飯のついでに近くのBestBuyにふらっと立ち寄ってみた。立ち寄ってみた、というか、愛用してたBuffaloの1GB USBメモリの接続部分が歪んでしまったので、大容量USBメモリをチェックするつもりで行ったのだが、そこで発見したのがコレ。4GBの大容量ながら、価格はなんと$40(Amazon.co.jpの価格は1万円近くするんだな…)。本体真ん中のつまみをスライドさせて接続部分を出し入れするのもちょっぴりオシャレ。USBメモリにオシャレさなんて誰も期待しないと思うが、キャップ不要という合理性と、このちょっとしたギミックにやられてしまった。

SanDiskのCruzerシリーズには前からセキュリティ機能がついているが、このシリーズには、それに加えてSkypeをはじめとするソフトウェアがいくつかプレインストールされている。PC本体にインストールせずとも、USBメモリを差すだけでソフトが使えるというのは実は結構便利である。ついでに、この製品が対応しているU3プラットフォームでは、自動起動する付属のソフトでアプリケーションを簡単に追加することも可能。まあ、そんなのなくてもUSBメモリにアプリケーションはインストールできるんだけど、U3対応のアプリケーションが充実していけば便利かもしれない。

ホントはUSBメモリを使ったアプリケーション活用方法についてもうちょっと書こうと思ったけど、今日は眠いのでこの辺で。

hReview by TEDDY-G , 2007/07/06

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SanDisk U3対応USBフラッシュメモリ CruzerMicro 4GB
サンディスク 2006-12-08
おすすめ平均 star
starU3ボリュームが邪魔

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GoogleでiPodゲット

近所なので、JTPAのウェブサイトとか「On Off and Beyond」で紹介されてたGoogleのイベント行ってきた。日本人技術者向けの宣伝イベントみたいな感じで、何つーか微妙な雰囲気(ボク場違い?)。セミナーの内容自体は、ググった方が詳細調べられるくらいのレベルだったんだけど、大体こんな感じ。

  1. Google File System(GFS):Googleのサービスを支える、安いLinuxサーバーでクラスタリングした分散ファイルシステム。安いサーバーの集合だから部分的にエラー出るのが当たり前。エラー前提でシステム管理してる。
  2. Google Maps Japan: 日本の地図は複雑すぎて面倒。通りに名前ないし。
  3. Google Local Search Japan: 検索クエリから地名とキーワード(検索対象)を分別するのが大変。「としまえん」は地名かも知れないし、キーワードかもしれない。
  4. 日本向けサービス: モバイル対応とか日本向けのカスタマイズもやってるが、基本的には全世界のユーザーにメリットがあるものを提供してる。
  5. Googleの労働環境: 有機的に統合された9,000人の従業員がシアタールームで映画見て電動スクーターで移動してる。

一応書いてみたが、「Temperamento Latino」の方にもっと深い内容説明があったので、詳しくはそちらをご参照願います。個人的にはトイレにウォッシュレットがあったのに衝撃。アメリカの水回り(バス・トイレ)は、芸術の域に達した日本のそれとは異なり大変チープなので、ウォッシュレットなんてものは他で見かけたことがない。この辺、従業員へのGoogleの細やかなケアが表れていると言えましょう。ホントかよ。

あと、Googleは「ユーザーにとって良いもの」「自分たちも使って良いもの」をただ単純に提供してるだけ、とのことで、この辺ナントカ2.0がどうしたこうしたとか言ってる企業とは一線を画した感があり。多分、Innovativeな企業、特に技術開発企業は、こういう観点で「マーケティング」をしている。この点についてはその内整理して纏めたいと思う。

iPodとリアルGoogle Notebook最後に、えーっと、参加者全員漏れなく配布のリアルGoogle Notebook(とペン)に加え、抽選でiPod 30Gをもらってしまいましたよ…。参加者の名刺からランダムに選ばれたんだけど、最初に呼ばれた二人がいなくて繰り上げ当選。買おうかどうか迷ってたところなので、大変嬉しゅう御座いました。Googleの刻印とかがあれば超Coolだったんだけど、すぐそこのBest Buyでついさっき買ってきた感アリアリの普通のやつでした。いや、全然嬉しいんだけどね。貰えなかった他の人ゴメン。

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MacBookを買った

前のエントリのとおり、渡米することになったので新しくPCを買おうと思い立ち、アキバのヨドバシカメラで「これください」と白MacBookの高いほうのやつを買った。無論、「あなたがMacを使うべき10の理由」「お前らがmacを使わないべき10の理由。」は両方とも熟読した上で、である。
まだあんまし触ってないが、とにかく「何で今まで買わなかったんだ!」って感じ。PCを触るたびに新しい発見があるってーのはもしかしなくても慣れてないだけなんだが、そのひとつひとつが楽しい。で、何かいろいろ「かゆいところに手が届く」感じなのだ。OSの安定性もスピードもUIも環境もその他もろもろ全部である。
Macの敵であるところのWindowsはすごくよくできたOSで、僕もWindows(とMS Office)を色々マニアックに使いこなして仕事するのが大好き(時折出てくるWSHネタなんかがその片鱗)なんだけども、Windowsは皆の意見を真摯に聞いてるうちにユーザーの姿を見失った感がある。で、ホントは使いこなせばすごーく便利なOSなのに、誰もが使いこなすまでに力尽きるというジレンマに陥っている気がする。
その一方、Macはたぶんユーザーの意見とかあんまり聞いてない。わがまま勝手に自分の好きなハードとOSを作っただけで、気に入った人だけ使ってくれ!という感じ。勿論、その裏側には気に入ってもらえる確固たる自信があるんだろうけど。
あー、こうしてどんどんAppleにしてやられていくんだろなあ…。
ほかにも色々書きたいことがあるが、引越疲れで起きてられないのでこの辺でおやすみなさい。
M:I 3おもしろい(寝ろよ)。

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T-FALのオヴェアを買った

stars シンプル・イズ・ベスト

嫁に猛烈にPUSHされて、T-FALの電気ケトル・オヴェア1.7Lを購入した。

今まで使ってた普通のやかんがズタボロになったので買ったものだが、予想以上に使い勝手がよくて重宝している。まず、何より沸くのが早い。コーヒー一杯分だったら、スイッチを入れてから、カップを食器棚から出してる間に沸騰する。即席ラーメンだったら、袋を開けてる間に沸く。沸いたら勝手に電源が切れるので火事になったりしない。沸いてもピーピー鳴ったりしないという素っ気なさもイイ。日本人が作ったら、湯沸し着メロダウンロード機能とか無駄についてそうだ。

でもって、電気ポットみたいにずっと保温したりしないので、ポット内壁の悪い成分が煮出されたりしない。健康に良いばかりでなく、当然電気代も節約できる。使い始めたばかりでわからんが、ガスコンロでお湯沸かすよりも安いらしい。他の高いモデルに付いている、温度調節機能がないのがまた良い。俺は山岡じゃないので玉露を入れるのには60℃が適温、とか言ったりしないのだ。沸けばそれで問題なし。

この実にシンプルで理に適った製品、お茶好きな人間であればMUST BUY!である。

なお、Amazonの値段(\5,680)が高いと思う方は、当ブログ左側の「Biddersインクリメンタル検索」にて「T-FAL 電気ケトル」とか「ティファール 電気ケトル」で安いの探してくださいな(以上、このブログには珍しい売り込み記事でした)。

hReview by TEDDY-G , 2006/01/10

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T-FAL 電気ケトル オヴェア 1.7L BF752022
T-FAL
おすすめ平均 star
star忙しい朝におすすめ
T-FAL ジャスティン 電気ケトル 1.2L BF510022 T-FAL ヴィテスエクスプレス 電気ケトル 1.0L BF402022

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iPodで英語のお勉強(WSHで早聞き&遅聞き)

今からアメリカに出張に行くっつー成田空港でこんなエントリ書いてどうするのかと…。

iPod nanoが出て以来、今や「父さん…こんな古いものを…」なiPod miniを相変わらず愛用しておりますが、iTunes5?が出たあたりのファームから、語学学習用に早聞き・遅聞きができるようになっとるそうな。ほー。
方法は簡単で、例えばCDからiTunesでリッピングした(取り込んだ)ファイルをAudiobook形式に変更するだけ。ところが、iTunes上で「Books&Spoken」のカテゴリに分類してもうまくいきません。
色々調べた結果、ファイル形式を「m4a形式」から「m4b形式」に変えなきゃならないらしい。Windowsの場合、iTunesの音楽ファイルの拡張子を「*.m4a」から「*.m4b」に書き換えるだけ。これをiPodに転送すれば、再生速度を変更できるようになります。
ちまちま一個ずつ拡張子を変更してもいいのだが、面倒なのでWSH(Windows Scripting Host)で同一フォルダ内のm4aファイルをぜんぶm4bファイルに書き換えるスクリプトを書いてみた。WSHというのはExcelやWordのマクロを特定のアプリ上じゃないところで使う仕組み、と非常に雑な説明をしてみる。

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ソニーは変わったか?

PSP用ソフトとしてアダルトビデオがリリースされるそうである。
Call It the PlayStation Porn-Able [Wired News]
Wired News記事中に引用されているPSP Wikiによれば、7月上旬から続々と発売開始される予定とのこと。
前半に書かれている通り、嘗てベータマックスがVHSに敗北した理由のひとつは、SONYがアダルトコンテンツに難色を示したからである。結果として、「消費者の購買意欲を駆り立てる」という意味で優良なコンテンツを逃すことになり、技術的優位性を持ちながらもベータマックスは敗北した。それに比べれば今回の対応は非常に迅速だと言えるだろう。嘗てベータマックスがVHSに敗北した理由のひとつに、SONYがアダルトコンテンツに難色を示したと主張する人もいる。それが事実だとすれば、今回の対応は非常に迅速であり、歴史を繰り返さないよう配慮したものかもしれない。但し、この点に関してはコメントにて指摘あったとおり眉唾モノであり、録画時間の短さやマーケットコミュニケーションの失敗により、顧客ニーズを掴み損ねた、極論すれば技術力に胡坐をかいたことが原因であろう。
PSPという新しいハードを支える新たなメディアとして登場したUMDだが、ブルーレイディスクのようにひたすら大容量・ハイエンドなメディアとは逆方向のアプローチで作られたメディアであり、低容量ではあるがコンパクトだという利点がある。ひょっとしたら3.5"FDのように「破壊的イノベーション」になる可能性も秘めたメディアなのだ。SONYは密かにUMDでの「天下取り」を狙っているかもしれない。
いずれにせよ、PSPでのアダルトコンテンツのリリースは、成年層のニーズに応えるものであり、ベータマックスの頃と比べ、SONYは顧客志向に大きく舵取りをしたように見える。
果たしてSONYは変わったのか。
答えは「否」だと考える。

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商社マン、iPodに感動する

今更であるがiPod miniを手に入れた。
ガジェット好きの割りに今まで手にしなかったのは、NIKEのMP3プレイヤー(中身はRIO)を使ってたからとか、微妙にDisposable Incomeを超えてたからとか、シルバーかピンクか決めかねてたとか、理由は色々あるのだが、マイナー志向が災いして、発売以降あれよあれよという間にメジャー化したiPodにちょっと背を向けてたところが大きかったように思う。その辺、本家iPodではなくminiを選んでしまうあたりに微妙にその名残が残っている。
で、ビジネス的な視点としては、これまでiPodは「まずiPodのデザイン的魅力でハードを売り、継続的なソフト販売(iTunes Music Store)で収益を稼ぐモデル」の為に作られた製品だと思っていたのだが、これが大きな間違いだった。

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