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ちゃんと考えること、ちゃんと議論すること、ちゃんとアウトプットすること

物事には順序というものがある。何かビジネスをやろうと思ったとき、まず自分ひとりで考えて、いろんな人と議論して内容を深め、最後にきちんと形にしていく。アウトプットしていく。こういう順序を辿るのが普通だと思う。その一方で、そのプロセスのひとつひとつで「ちゃんと」考え、議論し、アウトプットしているだろうか。

まず考えること。
ビジネスマンとして仕事をしていると、ファクトをベースに積み上げて事実を証明していくような過程が多いような気がする。特に商社マンは具体論が好きだから、ファクトの積み上げによる結論付けを日々求められる。所謂帰納法による証明だ。その一方で、何か新しいこと、いつもと少しでも違ったことをやろうとするときには、突然何かの閃きか神の啓示か上司の命令かが降りてきて、思考が開始する。「閃き」に基づいて色んな事象を想定し、考えを展開させる過程、つまり演繹法的論理展開である。
但し、これらはその双方どちらかだけでは意味がない。ファクトの積み上げて帰納的に証明された結論は、演繹的に様々な事象に当てはめられるかどうか検証されないといけないし、仮説に基づいて演繹的に想定した事象は、対応するファクトをひとつずつ見つけていって、帰納的に証明されないといけない。このいずれについても大事なのは、なるべく客観的に検証を行う必要があることだ。一見客観的なファクトに見えても、ナントカ総研の市場データ、それ自体が意図的に主観的な論理展開がなされている場合があるし、客観的に作ったつもりのビジネスプランが、実は非常に主観的な前提条件に大きく依存していることもある。
自分自身が気がつかないうちに、ある種の結論に向けて無理やり思考を捻じ曲げようとすること。サラリーマンは、いつしかそのような捻じ曲がった思考回路に陥らされている可能性があることに目を向けないといけない。

続いて議論すること。
総体的に言ってしまっていいと思うが、日本人は議論が下手だ。これは、日本の教育課程において議論のトレーニングを受けていないのだから、やむを得ないことである。しかし、ちょっとしたことに注意するだけできちんとした議論を行うことが可能となる。まず、議論のステージには二つがあることを認識することである。最初のステージはブレインストーミング(ブレスト)のステージで、兎に角自由にアイデアを交換し合うステージ。二つ目のステージは、ブレストの内容について、精査を行うステージである。一つ目のステージでは、出されたアイデアに意見してはいけない。相手のアイデアを否定せず、自分のアイデアと組み合わせていくことで新たな発見を行うことが重要なのだ。続く二つ目のステージでは、アイデアにダメ出しを行っていく。実現性を検証するもよし、長所と短所を客観的に評価するもよし。この二つを繰り返していくことで議論は生産的に展開する。
ところが、この二つのステージがごちゃまぜになることが多い。ブレストする場でダメ出しをして、アイデアが展開しなくなったり、評価を行う場で関連性のないことを突然付け加えたりするのがそれである。加えて、議論が単なるパワーゲームになってしまい、「声の大きいものが勝つ」ケースなどは最悪である。それは、議論ではなく論争であり、単なる綱引きでしかない。
繰り返しになるが、議論とは、ブレストと評価を繰り返しながら、生産的な結論を導く、ひとりで考えたアイデアをより高みに導くための過程なのである。

最後に、アウトプットすること。
個人的には、これがもっとも重要だと考えている。なぜなら、行動なき思考や議論は赤提灯での愚痴と大差ないからだ。一番簡単なアウトプットは議事録である。最低限、議論をした内容は風化させることなく、すぐさま情報として共有しなければならない。また、議論で出たアイデアを検証すべくデータを集めたり、必要なプレーヤーに働きかけたり、場合によっては試験的なサービスを開始したりと、きちんと次の行動につなぐことが大切だ。行動してみない限り分からないことは沢山ある。「やってみる」「アウトプットしていく」ことは、たとえ小さなことであっても、非常に重要な過程なのである。
さて、ここで起こりやすい大きな間違いは、「議事録を綺麗なパワーポイントに仕上げる」 ことをアウトプットだと思ってしまうことだ。「ナントカ答申書」だの「ナントカ報告書」だの、単なる情報共有でしかないことに時間を割くべきではない。仮に、タスクとしてそうしたものを提出しなければならないとしたら、「ゴールは何か」「次に何をするか」を宣言することに重点を置くべきだ。そうした報告書は、自らにノルマを課すことになり、最終的にアクションにつなげざるを得ないからである。
兎にも角にも、アウトプットとして形を成さない限り、どんな秀逸なアイデアだろうと評価の対象にはなり得ない。ビジネスとは、厳しいものなのだ。

翻って、自分はどうか。本業の話はさて置いて、上記の3つ、「考える」「議論する」「アウトプットする」、それを実現する場としてこのブログを活用しているつもりである。うまく書けないことに苛立ちながらも自分の考えをログとして残し、第三者とTrackbackやコメントを利用して、或いは、友人と自分のブログを引用しつつメールで議論を繰り返し、形になりそうなものは小さなスクリプトとしてなるべくアウトプットするよう意識している。
こんな場末のブログであっても、アウトプットをしていくと、色んな面白いことに気づくことができる。例えば、動画を検索してユーザ評価もできてPodcastingもできる「Got2Video」を自分では面白いと思って作ったものの、イマイチ人気が出ないと分かったり、その一方で、Got2Videoを利用して作ったG2V PlayerのオマケのU2B Playerはそこそこ人気が出て、ユーザーがホントに欲しているものの片鱗を垣間見たりできるのである。でもって、このU2B Playerは、Got2Videoがなければ生まれなかったものでもあるのだ。
しかし、とは言うものの、世の一流の人々の「考え」「議論」「アウトプット」と比べると、まったくもって貧弱なレベルである。ちゃんと考え、ちゃんと議論し、ちゃんとアウトプットすることとは、実践することもさることながら、磨きをかけるのが非常に大変なプロセスなのである。

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